ぼくの考えた最強「ちずかがく」はくぶつかんw

はい、タイトルからして中二を通り越して小学生レベルではありますが、実際の内容は、そんな感じです(汗

えっと、こんな事を考える切っ掛けになったのはid:wata909:20110227#p1にtagchanさんから

省庁の壁とかいろいろな壁があるので、一元管理は難しそうですが、可能な範囲で一元化する方向はありかなと思っています。

というコメントコメント*1を頂いたことです。

うろ覚えながらかつて某雑誌に出ていた記事を読んだ記憶や、@さんのツイートにある

国が文化遺産、学術資料としての地図を集中管理する

という文言を読んだ限りの印象だと、どうも古地図とか、絵図とか、そういうのをイメージしているのかな、と思ってました。

でも、今の時代それだけじゃーやってけないでしょう、ということで、勝手に自分が考える、こーあって欲しい「地図科学の博物館」というものを妄想してみました。


○とにかくすべての地図を集める!
 いわゆる「文化財」としてのみたいなことをいわずに、地図という地図を集める。国土地理院の発行している地図はいうにおよばず、各市町村とか、独法とかが成果としている地図なんかも集めるだけ集める!


○デジタルな地図も集める!
 ついでに、紙媒体で発行されている地図だけじゃなくて、デジタル媒体の地図も集める。これはCDとかで発売されている地図に限らず、地理院さんの基盤地図情報とか、Googleさんとか、Mapionさんの地図も含む。
 それを公開するとなると、色々法律をこねくりまわさんといけなくなるけど、集めるだけなら大丈夫じゃないかな。
 つか、Googleとかって、人のWebサイトの情報を集めて生きてるんだから、他人が同じように情報を集めることについて、どーのこーのというのはお門違いじゃないの、と素朴に思ったりするし。


○日本国内に限らない!
 それから、パブリッシュされた情報については、日本国内に限らない! 特にWeb公開されている地図に関しては二次配布可能なものについては、ミラーとして機能する、それが難しものについては、そのサイトへのリンクと日本語での解説をつける。それだけで、かなり役に立つと思われます。


○というか、人力メタデータサーバーを目指す!
 んと、実際問題として色々地図公開サイトがあって、みんな色々使っているわけですが、どこにどういう情報があるのかは、実はちゃんと把握できてないわけですよ。それを把握するためにメタデータという概念があるわけですが、これもあんまり上手く機能して無くて、メタデータメタデータ、つまりメタ・メタデータなんて話も出てくる次第で。
 結局、人力でどういうデータ化を整備するのが現状では一番いい解法じゃないかと思われるので、そういう仕事をこつこつすると。
 ただ、そういう人力の部分と、自動化出来る部分を上手く比較して、入力しやすくて、なおかつ実用性の高いメタデータを考えていくのも、手ではないかと思われます。


○つか、いわゆる「地図」に限らない!!
 地図って言葉は、測量やらジオやらの業界の人が考えるより、もっと広い概念じゃないかなって思う。例えば「遺伝子地図」なんて言葉もあるわけだし。とするならば、地図の概念は「地表面に存在するものを描画する」、ではなく「対象物の相対的位置関係を抽象化し、描画する」ということにまとめられるのではないだろうか。だとするならば、測量によって書かれる地図も、DNAのシークエンシングによって書かれる地図も、同じであるはず。つーことで、その辺まで含めて「地図の科学」と定義して、共通点、相違点、ついでに共同で出来る仕事とか考えたら、色々と面白いかと、妄想する次第である。


と、さんざん書き散らかして、そしてそもそもの元ネタである日本学術会議「国立地図学博物館」(仮称〉の設立について (pdf, 0.8MB)と、国立国会図書館法を確認したところ、さすがに最後の二つは書かれてないけど、それ以外は、既出だなーとか、思ったり(汗


だとするなら、何でいまだに実現できてないんだと、問いかけるべきかなと思う。まず、1988年、既に20年以上前の学術会議の提言はアップデートされる必要がある。
その上で、地理学会という限定された範囲の小委員会ではなく、例えば日本地球惑星科学連合の活動とリンクさせるとか、GEOSSの活動とリンクさせるとか、そういう方向性が必要だろう。つか、GEOSSなんかは日本の肝いりで始まった国際プロジェクトなので、なぜその辺にリンクさせなかったのかが、謎である。


最後にいうと、IPCCにせよ、IPBESにせよ、とにかく評価に当たっての地図データは確実に必要とされている。今年は国際森林年だからその関係のリクエストも多いだろうし、REDDがらみの話も当然あるだろう。
で、そういう分野の人たちは「地図がない」といって嘆いている。
そういった要求にちゃんと応えられるビジョンを示せれば、資料収集機関、そして研究機関として「地図科学博物館」は十分に説得力を持つ機関になり得るだろう。


そして、我々、というのはおこがましいが、一地図屋として出来ることは何か?
改めて、自分自身に問いかけてみたい。

*1:あ、先ほどのコメントに書き忘れたのですが、HABSが参考になっているなら、ありがたい限りですm(__)m