オープン規格の意味

さて、今さらではありますが、ハイチで大きな地震がありました。WikiPediaによると、死者は20万人ほどとのことで、津波で大きな被害をもたらしたスマトラ島沖地震に匹敵するとのことで、痛ましい災害でした。

ただ、こういった災害の現状把握は衛星観測の得意とする分野であり、日本の「だいち」をはじめ、多くの衛星がデータを公開しました。

その中で、こういった災害時における対応の新しい形として、OpenStreetMapによる被災地の地図作りがありました。作製された地図はこちら(Haiti Map Tile Server - OpenStreetMap NL)を見ていただければと思います。この地図の作製にあたっては、先にも述べた、公開された多くの衛星画像が使用されています。そして、この公開された衛星画像の共有を可能にしたのが、WMSというオープンな規格でした。

こういう風に使うことが可能なのが、実用面でのオープンスタンダードの利点なのではないかと思いました。

一方で以前、id:hfuさんがid:hfu:20091111#1257885592で「オープンスタンダードはオープンソースやオープンデータとは性質が異なる」の注釈で述べていられるように、「オープンなスタンダードを技術的な検証をせずに無批判に導入してしまう」という問題は残ると思います。ただ、これはhfuさんがエントリーで指摘しているし点とは少しずれることを承知でいうのですが、技術的に優れていなくても、それが使いやすいものであれば採用する意義はあるのではないかと考えます。

とはいうものの、使いやすければいいとなれば、デファクトスタンダードでもある意味良いわけであって、さーてどうするか、となるわけです。今回のことは、オープンスタンダードの意味を示せたとは思いますが、一方で「良い」オープンスタンダードとは何なのか、もうちょっと考察が必要だとも思いました。