反論とか感想とか。

ということで,突っ込まれている様なので,反論してみる。


まずは,「事実」について。

ArcGIS 9.3だって本体だけなら200ドルくらいでしょ。

価格については,以下を参考に。
http://www.esrij.com/industries/university/arcview9.html
http://www.esrij.com/purchase/price.html
ESRIジャパンさんの価格表ですが,まぁこんなもんです,日本国内では。教育機関ライセンスでも,200ドルは言い過ぎではないかと。もっとも,教育機関であれば飲み会を我慢すれば出せない額ではないかもしれません。
でも,我々のような公的研究機関となると,飲み会を我慢してもなぁ,という額です。特にサーバー系の製品は何とも成りません。

まぁ,ぶっちゃけてしまうと,アメリカと日本では状況が違うのですよ。その辺が,価格差に表れています。

しかもOSがUNIXベースって、普通UNIXなんか持ってませんから(笑)。

確かに,開発はLinuxベースが多い気がしますが,別にUNIXベースじゃありません。WindowsでもMacでも動きます。さらにMS4WやOSGeo4WはWindows向けに作られたパッケージですし,QGISやGRASSも各種OS用バイナリーがあります。

ていうか、フリーソフトがいいならGRASSでいいじゃん(笑)!

今回の話に当然GRASSも含まれているのですが,その辺は理解頂けているのでしょうか?
理解して頂いてるという仮定での話ですが,流石にGRASSをWeb Maping Engineとしては使えません。ということで,発表の後半にはWeb-GIS系の話を二つしてもらうことにしました。
理解して頂いていないとすると,それはこちらの書き方が十分ではなかったということでしょう。今後の反省材料にしたいと思います。


で。
後は感想ですが,

プラットフォームやソフトの違いに依存しないような議論をすべきじゃないのかな。

これは確かにそのとおりです。
ただ現状は,「特定のプラットフォームで,特定のソフトを使える」ことが,「GISが出来る」という誤解があると私は感じてるので,今回は,それに対して代替的手段があるんだぞ,という事を提示するという意図があります。
また,生態学会を選んだのは,既にRの利用などを通して,「難しい」ソフトでもちゃんと使える人,使うための努力をする人がいるから,ということもあります。

やっぱり最初はWindowsの上で、ArcGISのようなシェアの大きい、しかも解説本などが多く出ているpropietaryソフトを使うべきだと個人的には思うなあ。

これは,今,私のいる所では無理です。生態学会の自由集会とは別に,職場のGIS初心者向けに「GISの使い方実習」みたいなこともやっています。で,うちの職場のArcGISのフローティング・ライセンスは二つしかないので,真面目に実習をしようとしたら,二人しかできません。じゃあ我慢して貯金しろといっても,40万円は難しいと思います。結果,それなりの時間をかけて,「GISで出来ること,出来ないこと」を理解してもらうには,FOSS4Gが最適だと思っています。または,TNT MipsのFree Editionぐらいであれば,何とかなるかもしれません。


もっとも,OSGeoに関わる人間は「With out the community, what am I? (中略) I'm looking for peaple to have drink with. by Jeff」(6:00ぐらいから)というような人が多いので,飲み会を我慢するのは苦痛でしょう。
というか,私自身は飲み会を我慢してまで買う気はないですけどねw