FOSS4G(主にデスクトップGIS)の今後の普及戦略に関する妄想

最初にお断りしておきます。以下の文章は、私の個人的な妄想の類ですので、その辺にご留意頂ければと思います。

さて先日、Google Insights for Searchなるものの使い方を会得したのだが、これがなかなか面白い。

例えばQGISで検索してみると、リンク先の通りGoogleの検索用語としてQGISが使われたのがどの程度の頻度なのか、2004年からの時系列変化や、日本国内*1を確認することが出来る。これを見てると、2008年ぐらいから断続的に検索数が増加しているのが分かる。

日本のQGISコミュニティーにとって2008年に何があったかというと・・・、なんだろ(汗 実はあんまり思いつかないのだが、0.11のリリースが2008年の6/21だったり、OSGeo.JPの運営委員会が立ち上がったり、FOSS4G Tokyo/Osakaが動き始めたのがこの年だったりします。
2009年からは日本語化のプロジェクトも走り始め、その後も地道に検索数は伸びております。

ついでに、最近TwitterQGISという単語で検索を書けてみたのですが、かなりの数の人が使っていることが実感できました。また、Googleで検索しても、ここ一年半でも沢山の人がQGISについて書いてることが実感できます。

で、某王手ソフトとの比較をした場合がこちら。こう見ると、差が縮まっているようで、縮まってないなーという気もします。それでも、結構健闘してるかなーと、思ったりもします。
まぁ、こういうところで競争して、どうなるってもんでもないですが、一つの目安としては面白いかなーと思ってます。


さて。この状況を見てると、何となく一生懸命QGISをプロモートする段階も終わったのかなと感じたりします。まだまだ日本人がQGISを利用するのに十分なリソースが整備されたとはいえないかもしれませんが、少なくともFOSSやGISに対して関心を持っている層には、最低限必要な宣伝と資料の整理は出来たのではないかと思います。

次の段階として一つの方向性は、例えば学校の先生、地方自治体の公務員といった、いかにもITが得意で先進的な技術をガシガシ取り込むぜ!!って感じじゃない人にどうやって伝えていくかという事があると思います。

もう一つの方向性としては、他のソフトを伝えてはどうかという方向性。ということで、先ほどのGoogle Insightで、QGIS、GDAL、PostGIS、GRASS GISを比べた場合*2。うーん、何となく漸減傾向、と感じなくもないのです。
ただ、実際に使っていると、FOSS4Gは単体で使うよりも組み合わせて使うと便利になるとつくづく感じてます。あまり大きくないデータはQGIS、大きな、というかサイズとしても数としても大量のデータを使う時はGRASS、そういった大量のデータの前処理をやる時はGDALやPostGISを使う、といった具合に。なので、そういう組み合わせをうまく伝えていきたいなーと、思ってる今日この頃です。
ただ、そういった大量のデータの処理をする場合、どうしてもBATファイルなり、シェルスクリプトなり、GUIじゃなくて、CUIに対する知識が必要になってくるわけですが、でも、そういうことが出来るようになると、色々と出来ることの幅が広がります。

ぶっちゃけ前者の方はマーケットとして有望です。ただ、それ故に放っておいてもきっと誰かがやるでしょう*3。ということで、個人的には後者のアプローチをやりたいなー何て思ってる今日この頃です。

*1:当然、世界での変化も見られるが

*2:ちなみに、GRASSの場合は、GISをつけないと、葉っぱのgrassも含まれてしまうのでGISを加えました。その分、過小評価されている可能性があります。

*3:希望的観測