僕らに出来ること。

既に1週間以上が過ぎました。

2011年3月11日、午後2時46分。三陸沖を震源として、きわめて大きな地震が起きました。
今回に地震津波で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。

地震に関する情報、特に地理情報関係は、以下の集約サイトをご覧下さい。

東北沖地震 震災情報サイト sinsai.info

東北関東大震災に関する地理空間情報関連のページ


この地震がどれくらいまれに起きる規模のものかという事を思い知らしてくれたのが、こちらの記事です。

名勝・松島、崩落被害=「長命穴」消え、半壊の島も−国宝「瑞巌寺」は壁にひび

こういった浸食地形(といっていいのでしょうか?)が出来るには、100年、1000年、場合によっては万年単位の時間が必要でしょう。それだけの時間をかけて作られた自然の構造物が壊れたという事は、それが出来るのにかかった時間、そういわないまでも、それに比べるに足る時間の中ではじめて起きたことだと想像できます。


被害は甚大です。

いまだ、福島第一原子力発電所の状態は、予断を許さないといっていいと思います。私は、原子力発電所の状態に対してコメントを出来るだけの知識を持っていないので今後どうなるかという事はいえませんが、それでも、原子力発電所にどう向き合っていくべきなのか、もう一度考えなければいけないとは思っています。そして、人的被害を考えると、本当に、言葉もありません。

個人的には、一昨年に気仙沼、南三陸陸前高田を何度か訪れたことがあります。あの風景が、今はおそらく無くなっているだろうこということ。地球的時間でいうならば、おそらく誤差の範囲で自分があの場に居ないだけだということ。そして、それを日本ではなく、ドイツにいて見ているしかできないということ。

それは、もどかしくもあり、不安でもありました。

そこで、自分でも出来ることを、自分でしかできないことをと思い、国土地理院が公開してる空中写真の幾何補正を有志の方にご協力いただいて行いましたが、結果としては、焦りが目立って、いろいろな人にご苦労をかけてしまったかなと思います。

日本の同僚が、何も出来ないのがもどかしいと、Twitterでつぶやいていました。私も、その気持ちがよく分かります。

研究を生業にしているものとして、僕らの出来ることは、限られています。他の人と違ったことは出来るかもしれませんが、だからといって、すごく沢山のことが出来るわけではありません。いきなり災害や原子力の専門家になって、ここが危ないとか、ここは大丈夫だとか、そういうことがいえるわけではありません。結局、もどかしい気持ちを抱えて、どうすればいいのか、分からなくなります。

それでも、ただ、ただ、自分に出来ることをするしか無いと思います。でも、そうした「自分にしかできないこと」をちゃんと見定めて、積み重ねてきた人が、なにかあったときに、仕事が出来るのだと思います。だから、なにかあったときに、ちゃんと仕事が出来るように、今、自分がしなければ、やらなければならないことを、やりましょう。


今回の震災に対して、自分が十分なことが出来ているとは思えません。それでも、少しは出来ることがあるので、それをこなします。私が活動に関係しているOSGeo財団日本支部でも、そのような思いからメッセージを出しました
震災の被害把握や復興に当たって、GISを使ったお手伝いが必要であればご連絡を下さい。