データの公開について、つらつらと思う。

東北地方太平洋沖地震に関して日本気象学会理事長から会員へのメッセージ(2011.03.21)(pdfファイル)

ぶっちゃけ、なんだかなーと思うわけです。

放射線の影響予測については、国の原子力防災対策の中で、文部科学省等が信頼できる予測システムを整備しており、その予測に基づいて適切な防災情報が提供されることになっています。防災対策の基本は、信頼できる単一の情報を提供し、その情報に基づいて行動することです

いやいやいや、その文部科学省等が信頼できる予測システムであるSPEEDIさんから発表が、とりあえずこの一回しか見当たらないので、皆さん何とかしようと思ったのではないでしょうか? つか、別に学会にやるなっていわれたからって、やめる類のことでもないとは思うんですけどね。


とはいうものの、個人がやったとして、その結果の精度は正直不明です。そのためWikipediaの言葉を借りるならば、

本サイトは、あなたに対して何も保証しません。本サイトの関係者(他の利用者も含む)は、あなたに対して一切責任を負いません。あなたが、本サイトを利用(閲覧、投稿、外部での再利用など全てを含む)する場合は、自己責任で行う必要があります。

ということになります。それでもいいから出せという意見もあるかもしれませんが、そうして出した推定が外れた場合どうなるかというと、

放射性物質検出問題 福島・天栄村村長、国の発表が覆ったことに怒りをあらわに

となります。上記の例の場合、検出されたといったものが検出されなかったと覆ったり、主体が国だったりで個人が分析して公開する場合とは異なりますが、個人が発表するとなればそういった間違いは容易に起こると思います。研究であれば修正して、新しいバージョンを出せば問題無いかもしれません。でも、今回のような問題では、「精度は保証しません」と書いても、それですむとも思えません。特に個人がデータを公表して、それによる風評被害等が起こった場合、免責事項が書いてあっても、果たして責任が回避されるのかどうか、疑問に思います。


同じようにようなことは、GISのデータについてもあることだと思います。オープンであるという事は、自己責任がつきまとうので、精度は保証されません。一方で、データが精度を理由にしてクローズでいいとも思いません。
どこに最適解を見つけるのか。そんなことも重要じゃないかと思っています。