地名表記についてつらつらと。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013092802000212.html

こちらの問題について。

政府の立場としては、昔からちゃんと日本の主張に沿った物を使えといってると思う。どっかで、「日本地図を書くときは北方領土も含めるように」といった通達を見た気がするのだが、見つからなかった・・・。
ただ古くは、「昭和三十九年六月十七日付、外務省事務次官通達」というやつで、「上記立場からして、国後、択捉両島を南千島と呼ぶことは、(中略)、北方領土問題に関するわが方の立場上好ましくない。」とあり、昨日今日の問題ではないことは、理解できると思う。
http://www.ne.jp/asahi/cccp/camera/HoppouRyoudo/HoppouShiryou/19640617Tsuutatsu.htm

政府としては、自分の立場と異なる物を使っていいというわけには、行かないだろう。
そりゃ、当然だと思う。

で、今回の件は別に昨日、今日突然降った話ではなく、この4月ぐらいからづっと燻っている。例えば、以下の記事とか見るとわかると思います。
J-CASTの「NHK使用の地図に日本海と「東海」併記」の記事が酷い
 http://d.hatena.ne.jp/dambiyori/20130409/1365514928

そういう状態が続いていたんだから、それなりにチェックとリスク回避の準備、代替策の検討をすることは必要だったと思う。こちらの記事の「最終的にしかるべき方面から糾弾されるのはその団体、組織でしょうからそれなりの対応はしておくのがリスク管理としては必要ではないかと思ったりする訳です」に同意見です。
・政府のGoogleマップ禁止令に思うこと
 http://blogos.com/article/70845/


で、そんなこんないろいろで思うのは、多くのユーザーにとって「正しい地図」というのが、なんなのかということ。私人としては、日本の領土が正しく表示されていない地図を使ってはならんと、目くじらを立てるつもりはありません。ただ、国際的な場においてや、国の機関として、筋として認めることができないものがあるのも、理解できます。だから、今回の通達がそれほどおかしなものだとは思いませんでした。「地図の正しさ」というのは、やはり政治とは無関係ではいられないと思います。

あと、「Googleが使えなくなると困る!」という意見をたくさん目にしたわけですが、そのことこそが問題じゃないか、と思うのです。だって、Googleが未来永劫、今の地図サービスを続けてくれると決まってるわけじゃないのですから。

そんな風にGoogleにおんぶにだっこで、そこにあるリスクに気づかない、回避できない方が、問題なのかもしれません。


ちなみに、2008年の記事ですが、Googleの考え方は、以下の通りだそうです。
日本海か東海か――Google Earthが海洋名の記載方針を発表
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0804/10/news015.html