「GISソフトウェアのオープンソース化」は進んでいない(笑
さて、本日付で新たな「地理空間情報活用推進基本計画」が策定されたようです。そういえば、パブコメの募集が出ていたような気がしてましたが、そうか、新しい計画を策定することだったのかと、出てから気づいたという体たらくです(汗 ちなみに、今回の計画は平成24〜28年の四年計画とのことです。主な施策はこちら、本文はこちらからダウンロードできます(pdfファイルです)。
昨年の東日本大震災を受けて、やはり震災からの復興というのが施策の大きな柱になっています。それとともに、第?部の2.の(2)の?、「情報通信技術の進展に伴う新たな課題と可能性」という項目においては、
クラウドコンピューティングの普及やソーシャルメディアの浸透、マッシュアップによるサービスの広がり、GIS関連ソフトウェアのオープンソース化など、情報通信技術の進展やそれを取り巻く環境の整備により、個別のシステムやサービスを融合させた複合的なサービスが展開されている。
という記述が出てきます。
いやいや、揚げ足を取るつもりではないのですが、別に「GISソフトウェアのオープンソース化」は進んでないんじゃないっすか(笑 これまでClosedなソースだったソフトがオープンソース化したという話は、少なくとも私は聞いておりません。というか、もし取り上げるほど大きなものがあったら、ごめんなさい。
・・・や、電子国土Webのオープンソース化は確かに重要ですが、元々の電子国土Webがオープンソース化したわけではなく、元々オープンソースだったOpenLayersを電子国土Webが採用したということだととらえております。
という風に、「GISソフトのオープンソース化が進んだ」のではなく「オープンソースのGISソフトが普及した」というのが正しい言い方じゃないかと。いや、まぁ、そんなに細かく突っ込まなくても良いし、基本的に腐しているわけでもないのですが(汗
ただ、こういう所に「オープンソース」のGISという言葉が出てくると、やっぱりうれしです。
私なんかはOSGeoやFOSS4Gにかかわるようになってから、それこそ4年ぐらいしかたってないわけですが*1、森さんやベンカ先生と升本先生、嘉山さん、そのほかにも多くのみなさんが積み重ねてきたものが、こういう形に成ったのだと。前回のエントリーに書いた宇宙利用プロジェクトも、そういった先輩達の積み重ねがあったからこそ、形に成ったのだとそう思っています。
かつてid:hfuさんとこんな話をしていた時は、こういう所にオープンソースという言葉が出てくるには、もっと時間がかかるかと考えていましたが、思ったより早かったなと感じています。ただそれでも、まだまだ先*2は長いのですが。