HABSに関する、ちょっとした豆知識。

ここのところ、歴史的農業環境閲覧システム(HABS)へのアクセスが増えております。
原因は分かっていて、読売新聞さんの自分の土地の昔は何?…震災で古地図閲覧急増という記事で迅速測図が紹介されたり、日経新聞さんの液状化、古地図を見ればリスクが分かるという記事が出たからです。大手の新聞で紹介されると、アクセス数がきれいにピークを示します。

さて、そんなHABSですが、実は色々と展開していたりします。


まず、Finds.jpさんの農業土地利用変遷マップでも同様に迅速測図と明治期の東京主部の1/5000地図を閲覧することができます。ぶっちゃけ、HABSよりもスマートな構成で、基盤地図情報1/25000と重ね合わせられているのでおすすめです。またこちらでは、歴史的農業環境WMS配信サービスとして、QGISなどのGISソフトウェア上で利用するためのWMSデータの配信サービスも行って頂いています。さらには、関東平野だけではなく、広島県福山市のデータも配信されています。


また、防災科研田口さんには、eコミマップを使って、二画面での迅速測図と現在の衛星画像の比較の地図を公開して頂きました。こちらの記事からどうぞ。なんつーか、この二画面表示は、正直嫉妬しますw あとは、住所で検索できると、パーフェクトですね。私は実装するつもりは無いので、是非お願いします(汗


HABSを公開していて一番質問が多いのは、実はGoogle Earthと重ねた時にどのように迅速測図を透過して、現在の比較するかという事だったりします。これについては、OpenStreetMap Daysさまの迅速測図で今昔比較でどうやるかが紹介されているので、そちらをご覧になって下さい。


それと、実は迅速測図には地図が書かれている図郭の外側に、視図と呼ばれる景観をスケッチしたものや、河川や道路の断面図などが描かれている場合があります。これは、迅速測図が軍事用の地図だったことを反映して、行軍可能な道路なのかといったことや、移動の際に目印になるランドマークを描いていたのではないかと思います。こちらの図郭外図についても、以前にも紹介したかもしれませんが、一部のデータをGoogle Earth用のKMLファイルとしてデジタル化しております。特にこの景観のスケッチと、今の写真との比較とかできると、とってもうれしいんだけどなーと、思っています。