化学工学会の提言を読んで

まずはこちらのWebページpdfに目を通してもらいたいです。
とにかく、粗々でもいいから一定の目処を示して、それに対する方策を示すという事を、この短時間の内にやってのけたということに、感服する。

時として、粗々の想定というのは、混乱を招くことがあるのも分かる。例えば、官房長官が「一時帰宅も視野に入れて」と行った途端に、避難指示地域内に一時帰宅する人が続発して、問題になったのがその例だろう*1
ただ一方で、そうなった原因も「結局どうなるか」という問いに答えが出てないからだともいえる。まぁ、最悪の状態を想定することはかのかもしれないが、そうなると年単位の時間が必要ですとしかいえないので、言うにいえないとは思いますが・・・*2

実現可能性とか、冷蔵庫やクーラーの買い換えとか、ちょっと突っ込みたくなるところもあるけれど、それでも全体として「今年の夏を乗り越えるには、こうすればいいんじゃないのか」と提言しているのは、頭が下がります。まさに工学系研究者の面目躍如と思いました。

ついでにというか、上記の報告書を読みつつ、今回の一連の震災で時間経過の中で対応すべき、重点が置かれている問題が様々に変わってきてるのを感じます。例えば当初は都心での帰宅困難者の問題でしたし、次に被災者の救援、そして現在は福島第一への対応と、特に東日本では電力の問題だと思います。こういった中で、可能であれば正確であることが求められますが、「えいや!」であっても、必要なデータを提供することも必要だと思います。もっとも、ダダ漏れが可かというとそうでもないので(一時帰宅の件とか)、その辺をどうするか、ということになるかと思われる・・・。

*1:例えばここで「1〜2ヶ月を目処に」とか言っておけば違ったのかもしれないが、それは後だから言えることだろう

*2:ただ、ここのところそういう発言が出てきました。さすがに、短期解決はあきらめたという事かもしれません